「エリート士官を育てた幼年学校の教育と日常」

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更新日 2012-6-30 | 作成日 2008-12-09


































第8回フィールドワーク 鉄道聯隊の遺構を訪ねて ~松戸・千葉周辺の軍事遺跡を巡る

 2012.6.17

フィールドワーク概要

■日時■ 2012年6月17日(日)

■場所■ 松戸・千葉周辺

■参加人数■ 13名

フォトギャラリー

工兵学校門柱午前10時、松戸駅に集合し、松戸中央公園へ。ここはかつて陸軍の工兵学校があったところ。入口には門柱と歩哨舎、公園内には工兵学校の碑が建立されていました。

善行時戦没者供養塔新京成線・五香駅近くの善行寺。ここには戦没者供養塔が建立されています。全員で焼香、黙とうを捧げ、ご冥福をお祈りいたしました。

松戸駐屯地111時30分。陸上自衛隊松戸駐屯地へお邪魔しました。ここは、かつて松戸飛行場があった場所。広報の松崎2尉が休日出勤で対応してくださいました!

松戸駐屯地2まずは隊員食堂でランチ!美味しかったな。

松戸駐屯地5格納庫松戸飛行場時代の格納庫。非常に頑丈な建物だそうで、今も駐屯地で使われています。外観はキレイに塗られています。

松戸駐屯地9コスプレ資料館で制服の試着コーナーが。ばっちりポーズ!

松戸駐屯地10千人力同じく資料館に展示されていた「千人針」ならぬ「千人力」。これは出征する兵士のために男性が墨で「力」と書いたものだそうです。初めて見ました。 このほか、資料館には衣類や食器類など細かな軍用品がずらり。陸軍関係の展示は奥の部屋、陸上自衛隊の展示は入口近くの部屋と分かれています。

演習線橋脚台鎌ヶ谷市内の道路脇にあるコンクリート橋脚台。第二鉄道聯隊が鉄道を敷く訓練として千葉~松戸間に設けた路線の一部。民家と道路の間の僅かな敷地。ちょっとしたミニ公園になっているところに、どどーんとそびえる橋脚台。なんだか偉大です。

鉄2門柱千葉駅近くの千葉工業大学の門柱は、かつての鉄道第二聯隊の兵舎の表門。国の登録有形文化財に指定されています。

K2形蒸気機関車津田沼一丁目公園にある蒸気機関車。鉄道第二聯隊が使用していたもので、演習線で活躍した機関車です。今では子供達の格好の遊び場になっていました。

鉄1材料廠タウンライナー天台駅前の千葉経済大学。この敷地内には、鉄道聯隊材料廠だったレンガ建築が残っています。千葉県の指定有形文化財。以前は自由に内部も見学できたそうですが、震災後は崩壊の恐れがあるため立ち入り禁止になっていました。

訓練用トンネルポータルタウンライナー千葉公園駅の目の前には、大きな池を囲んで千葉公園が広がっています。道路沿いに、鉄道聯隊が使用していた訓練用のトンネルが残っています。周囲の光景になじんでいるように見えるから不思議…。公園内には、ほかにウィンチ台座などが遺されていました。

フィールドワークレポート

 【参加者アンケート】

今回のフィールドワークを企画頂きました皆様、参加された皆様、大変有意義に過ごすことができました。ありがとうございました。
戦争遺跡は、歴史を知り過去を振り返ることができるものであると同時に、モノとしての純粋な魅力や目的や使用方法を推理する楽しさがあると、改めて今回のフィールドワークで感じました。
千葉公園の事務所脇にある演習用の短い隧道(5mもない)は、当時いったい何の演習に使われていたのか。工兵の作業場だったので、作ることが目的だったのか、それとも作った後に改修工事や何かをしていたのか。実際に隧道の中を列車が通過したのか。全く味気も飾り気もない隧道であるが、それが故に究極の機能美にも見え、また戦争という生死を背景にした悲劇も背景に見える。
明治以降、国家予算の数10%をつぎ込み構築された戦争遺跡には、他の歴史遺産とは違う魅力があります。
刻一刻と戦後化が進み、戦争遺跡は取り壊されていきます(決して悪いことではありません)。戦争体験者の話を聞けるチャンスが今しかないことと同様に、戦争遺跡を見れるチャンスも今しかないと思うと、見られる時に見ておきたいという気持ちに、ますます強くなりました。そうした意味でも、今回のフィールドワークは、私にとって大変意義深いものになりました。ありがとうございました。

(R.H)

印象に強く残ったのは陸上自衛隊松戸駐屯地(陸軍松戸飛行場跡)にあります格納庫です。
戦後、70年近く経ちますが、その堂々した姿で現在も日本防衛の施設として使用されているのは、日本の誇りだと感じました。格納庫が 現存しているのは、駐屯地内にあるからこそだと思います。
また、工兵学校の遺構や騎兵旅団司令部跡地の碑など、戦後公園に整備されているのは、とても興味深い戦跡保存の方法だと思います。しかし、鉄道連隊記念碑・兵舎跡は、雑草が多く管理が不十分ではないかと思いました。小規模のものは全国に多くあり、全てを管理することは難しいででしょう。ですが、後世に戦争のことを伝えること、英霊への感謝の想いを考えますと、保存・整備は必要だと思います。
私は、フィールドワークに初参加しましたが、住んでいる千葉にこんなに戦争跡地があることを知らなかったのは反省の一つです。鉄道連隊については、新京成線となり国民生活の一部として使われているのを知り、戦後残った軍用施設は、形を変え生活に溶け込んでいました。このように実際の戦争跡地を見ることでいろいろ想像したり、調べたりするきっかけになるので、今後もこの活動は大切だと思います。フィールドワークを企画していただいた方々にお礼申し上げます。

(Y.I)

パンダ会の会員となってから、聴講会には何度も参加させていただきましたが、実地のフィールドワークは初めてだったので、とても楽しみにしていました。前日の天気予報は雨だったのですが、私は晴れ女なので「きっと晴れる」という根拠のない自信があり、傘を持っていきませんでした。序盤にちょこっと降られただけで、その後は晴天に恵まれたので良かったです。
私は、どちらかというと国内よりも海外の戦跡や日本統治時代の遺構を巡っていますが、今回のフィールドワークで「こんな身近に、たくさんの戦時中の足跡があるのだなあ」と感慨深かったです。自分の住んでいる地域にも、探せばきっと色々あるのかもしれないですね。
特に印象に残ったのは、やはり習志野駐屯地の格納庫でしょうか。とても大きい上に、構造も素晴らしい。このような貴重な建造物は、是非後世に残してほしいと強く願います。また、その周辺にある木造の建物。とても古いのにまだ使っているのには驚きました。壊すのにもお金がかかる、それよりは飛行機の部品が優先…とのことで、私が死ぬまでに自衛隊が普通の軍隊としての処遇を受けられるようになってほしいと思います。あとは、駐屯地の食堂でいただいたご飯がとてもおいしかったです。特にお味噌汁!あとからカロリーがなんと!1000キロカロリーもあると聞いてたまげましたが(笑)。ダイエット中だったのに…(笑)。配膳を片付けるときが小学校の給食みたいで、ちょっとなつかしい気持ちになりました。野草園で蚊にさされすぎて、今も液体ムヒが手放せません…(笑)。
下調べをしていただいた富山さん、運転をしていただいた水野先生、どうもありがとうございました。参加された皆様、楽しく勉強になるひと時をともに過ごせたことに感謝いたします。また、このような機会がもてるパンダ会は、とても大事だなあと改めて感じました。もうすぐ、67回目の終戦の日がやってきます。英霊の御霊に思いを馳せつつ、少しでも周囲の人間にこちらで体験したことを伝えていければ…と思っています。また皆さんと、色々なところを巡りたいです!

(A.F)

私は以前、千葉県内の戦跡を散策したことや習志野駐屯地を見学したことがあったのですが、今回は以前行ったことのある場所の他に、初めて足を踏み入れる場所もあるということで、フィールドワークに参加しました。
まず、松戸市内では中央公園内にあった工兵学校の遺構を見つつ当時の様子を偲び、善光寺の境内にある戦没者供養塔に参拝して松戸近辺の戦没将兵の冥福を祈りました。
次は私がもっとも印象に残った、陸上自衛隊松戸駐屯地の見学です。ここには戦時中には陸軍松戸飛行場があり、また元々軍の資材や物品を集積し供給する拠点でもあったということで、現在の自衛隊でも需品学校という物品支給業務を学ぶ学校が設置されている少し異色の駐屯地です。千葉県といえば精鋭屈強で知られる第一空挺団を擁する習志野駐屯地が有名ですが、松戸駐屯地は物資を扱うということで位置づけとしては少々マニアックな部類に入る駐屯地かも知れません。しかし決して地味な駐屯地ではなく、広大な敷地には食べられる野草や毒草を栽培している野草園、戦前に建設されつつも現在も使用中の倉庫や格納庫などが私の目を引きました。
いくつかの駐屯地の見学をしたことがある私ですが、他に例を見ない施設はとても新鮮かつ貴重なものだと思いました。そして一番興味深かったのは資料館です。たいていの駐屯地には戦時中~現在の自衛隊関連の資料を公開している資料館があるものですが、松戸駐屯地の場合は特色として、需品学校があるという関係上制服や備品、支給品などの展示が充実しています。軍服や制服に興味がある人にはもちろんですが、現行の自衛隊の制服の上着に関しては各サイズがおいてあり自由に試着できるということで、他の参加者の方々も興味深々でした。
その後、千葉工業大学、千葉経済大学構内などにある鉄道連隊等の記念碑や遺構を見学し、非常に中身の濃いフィールドワークはお開きとなりましたが、少人数ならではの機動力で回れるのはとても魅力でした。次回の参加も楽しみにしています。

(Y.S)

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